離婚の際にきちんと養育費を取り決めしたのに、時間が経つと相手が支払いをやめたり、支払うお金があるのかないのかもわからないケースというのは多々あります。
養育費の支払いに関する合意については、しっかりと公正証書や調停等で締結していたにも関わらず、こういったことは起こります。
その際に「財産開示」という点から、解決する選択肢があります。
「財産開示手続」とは、債権者が債務者の財産に関する情報を取得するため、債務者が裁判所に出頭し、財産状況を述べる手続です。
令和2年4月1日に、「財産開示」に関する法律が厳しくなりました。
期日出頭しなかった者への罰則が強化されました。
具体的には、従前は、30万円以下の過料であったものが、改正により、6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金となりました。
【告発し、書類送検された例】
神奈川新聞社令和2年10月20日配信の記事によると、裁判所から財産開示手続の呼出を受けたにもかかわらず、出頭しなかったとして、県内在住の男性が書類送検されたとの報道がありました。
報道によると、男性は容疑を認めており、「無視していれば諦めると思った」と話しているとのことです。
債権者は、債務者の男性に対し、財産開示を求めたが、出頭しなかったため、令和2年9月、捜査機関に債務者の男性を告発したとのことです。
養育費の支払いに関する合意を公正証書(強制執行認諾文言付)や調停等で締結していた場合、この「財産開示手続」を利用できる可能性があります。
上述のとおり無視したり虚偽の陳述をした場合には、刑事罰を科されるおそれがあります。相手も、刑事罰を受けるよりは、財産内容を正しく陳述する方を選ぶことになるでしょう。
また、手続の中では、申立人は、債務者に質問等をすることができます。
養育費支払いの合意を公正証書や調停等で行ったにもかかわらず、支払がなされていない方は、申立を検討してもよいかもしれません。
また、債務者が財産開示期日に出頭しなかった場合や虚偽の陳述をした場合には、捜査機関に告発をすることで、刑事罰を求めることも1つの選択肢として考えられます。